宅配クリーニングとは
宅配クリーニングのトラブルと捉え方
そもそもクリーニングという業務自体が、「素材や状態、汚れの具合の違う物をお預かりし、お客様が満足されるレベルまできれいにしてお返しする」という、大変難しい仕事であるため、別名「クレーム産業」と呼ばれるほど、クレームの多い業種です。
宅配クリーニングにおいても2008年以降、参入するクリーニング店が増えてきた結果、取り扱い量の増加に比例して、全体としてのクレームも増えてきています。
国民生活センターにも多くの相談が寄せられるようになり、2013年度は50件強だった相談件数が、翌2014年度には3倍近くに増加しました。
相談の主な内容としては、衣類の紛失・見積りや問い合わせなどの対応の悪さ・加工のミス・補償問題などが多くみられます。
顔が見えず、ネットや電話でのやり取りになってしまうことによる感情のもつれや、勘違いといったことが、トラブルを大きくしている側面もあり、店舗以上に細やかな配慮が必要といえます。
実際に国民生活センターに寄せられた相談としては、*1
【事例1】
宅配の保管サービス付きクリーニングに出した。引越しのため、送付先の変更の連絡をしたところ、受け取っていないと言われた。その後再度事業者が調べたところ紛失したようだ。連絡が来ず、対応が悪い。
【事例2】
ワンピースのクリーニングを依頼したつもりが、パーティードレスだと判断され、5倍以上の金額の請求をしてきた。キャンセルを申し出ても応じない。
【事例3】
2、3週間で返却と言われたが戻って来ないため連絡したところ、半年かかるというので早急に対応するよう依頼した。戻ってきたダウンジャケットの袖口の汚れが落ちていないので苦情を言ったが対応しない。
【事例4】
ドライクリーニング不可なのに行って生じたクリーニング事故について自社の規約で補償上限額が1万円と言われた。
【事例5】
紛失事故で問い合わせたところ、録音テープでネットから問い合わせるように言われたのでネットで問い合わせたが連絡が来ない。
このような相談が宅配クリーニングのご利用者から寄せられています。
*1 国民生活センター 店舗型とは違います インターネットで申し込む宅配クリーニングのトラブルにご注意!参照
昨今の宅配クリーニングで起きているトラブルについて
前述したようなトラブルが起きる最大の要因として、お客様と対面で話せないことが挙げられますが、一つ一つ見ていくと、店舗側の確認不足や、お客様への連絡の不十分、お客様への規約の周知徹底の怠慢など、対面接客かどうかを問わず実店舗でも十分に起こりうるトラブルがほとんどといえます。
つまり、「宅配」という特性を理解し、対面での接客にも通じるところは活かしつつ、
・商品到着後の検品連絡を確実に行うことや、お客様への見積り・商品完成の連絡を行う。
・依頼を受付ける際、お客様の利用規約や賠償基準について同意を確実に得るようにする。
・先の事例にあるように、「ワンピースだと思って依頼したらクリーニング店でパーティドレスとして判断され料金が5倍になった」といったケースや、「コート1点をクリーニング依頼したらベルトとコートは別で2点として数えられてしまった」といった、クリーニング店とお客様との認識のズレを防ぐため、ホームページ上に点数の数え方や衣類の種類の判断方法などを記載する。
など、お客様の目線に立ったホームページの見せ方や、こまめな連絡によって上に挙げたようなトラブルは未然に防ぐことができます。